最初に、総予算へ含める作業をそろえる
同じ「謎解き企画の予算」でも、問題制作だけの費用と、会場や当日の受付まで含めた費用では範囲が異なります。まず企画の目的と対象者、場所と開催時期を整理します。その条件で必要な制作物と運営業務を書き出してください。費目名より先に、何を実施するための支出かを確認してください。
例えば印刷済みの冊子を受け取る依頼なのか、印刷用データを受け取り自社で印刷するのかで、費用を確認する相手が変わります。自社スタッフが受付を担う場合も、担当時間を確保できるかは別に確認します。社内工数を金額換算するなら、外部への支出とは区別し、同じ人件費を二重に足さないようにします。
本記事は、単発のイベントや短期企画に使う社内の配分表を扱います。複数会社の見積を比べる作業は謎解きの見積書比較、常設施設の売上や損益分岐点を試算する作業は脱出ゲームの事業計画で扱っています。以下の数値は相場、標準料金、IMGAMEの見積ではありません。
架空の100万円を、必要な費目と予備枠へ配分する
説明用に、社内で検討する総予算の上限を100万円と置きます。全て架空の金額で、税や手数料等を含む支出見込額にそろえたという設定です。現実の企画では、見積ごとに何が含まれるかを確認してから同じ基準へそろえます。表の金額をそのまま発注金額として使うものではありません。
項目が見切れる場合は横にスクロールできます 全金額が架空の初回配分例:単位は万円
| 費目 | 配分額 | この例で想定する範囲・確認事項 |
|---|---|---|
| 制作 | 40 | 問題・紙面・印刷物をまとめた仮の枠。実際の納品物と修正範囲を確認する。 |
| 会場 | 20 | 使用する場所と備品の仮の枠。搬入・設置・撤去に必要な利用時間を確認する。 |
| 運営 | 25 | 当日の担当業務に対する仮の枠。制作側に含む対応と重複しないか確認する。 |
| 予備枠 | 15 | 用途未定の保留額。使用理由と承認者が決まるまで発注額へ含めない。 |
| 配分合計 | 100 | 制作40+会場20+運営25+予備15=100。 |
この時点で、使途を置いた制作・会場・運営の小計は85万円です。総予算100万円から85万円を引いた15万円を予備枠として残しています。配分合計が100万円でも、全額を発注したという意味ではありません。また、見積を取る前の仮置きなら、85万円も支出確定額として扱わないでください。
予備枠を何割にするかに共通の正解はありません。会場条件や数量がどこまで決まっているか、変更時に取り消せない支出は何かを確認し、社内で決めます。未確認の重要費用を小さく見積もり、足りなければ予備で補う前提にするのは避けましょう。
公開料金を見るときも、含まれる範囲を確認する
YTEの企業担当者向け公式案内では、制作に含まれる項目と別見積となる項目例が示されています。別見積の例には映像や設営、ウェブ制作や当日の人員等があります。このように、同じ制作依頼でも工程によって費用範囲が分かれる場合があります。
これは同社の公開案内を読む例であり、他社やIMGAMEが同じ条件で提供するという説明ではありません。2026年10月13日に公式ページを確認しました。比較する際は、公開された価格だけを配分表へ転記せず、自社の条件で必要になる作業を問い合わせます。
見積の表記が「制作一式」であれば、納品物と数量、修正の範囲を聞きます。印刷・設置や当日の対応を含むかも確認してください。未回答の費用はゼロと置かず、確認中として記録してください。複数案の総額と追加費用をそろえる方法は、謎解きの見積書比較で確認できます。
追加13万円が出た場合の、架空の配分変更例
ここからも全金額が架空です。前の企画で、依頼側の変更に伴う制作追加8万円と、追加の運営業務5万円が必要になったと仮定します。それぞれの内容と費用を確認し、社内の承認者が予備枠からの振替を認めた場合、次のように更新します。制作会社の不備や契約上の負担先を、予備枠で自動的に引き受ける例ではありません。
項目が見切れる場合は横にスクロールできます 全金額が架空の変更表:追加13万円を予備枠から振り替える
| 費目 | 変更前:万円 | 増減:万円 | 変更後:万円 |
|---|---|---|---|
| 制作 | 40 | +8 | 48 |
| 会場 | 20 | 0 | 20 |
| 運営 | 25 | +5 | 30 |
| 予備枠 | 15 | -13 | 2 |
| 配分合計 | 100 | 0 | 100 |
追加額は8+5=13万円、予備枠の残りは15-13=2万円です。変更後の使途を置いた小計は48+20+30=98万円、予備枠を足した合計は100万円となります。増減の合計も8+0+5-13=0なので、総予算の上限は変わっていません。
この後、さらに10万円の演出案を加えると、使途を置いた98万円に10万円を足して108万円となり、上限100万円を8万円超えます。残っている予備枠2万円を使っても収まりません。追加案の見送り、他の範囲の見直し、予算増額の相談を比較します。決定前に発注しないようにしてください。
表には変更理由と承認の記録も結び付けます。「制作が増えた」だけでは、数量変更、修正、別の成果物追加のどれかが分かりません。変更番号を付け、依頼側の希望と相手の回答を残しましょう。決定日と影響する費目も記録します。支払った日と承認した日も同じ出来事として扱わず、別々に記録します。
見積・承認・実績を分けて記入する
配分表は、金額だけ更新すると判断の根拠が残りません。次の空欄票を費目ごとに使い、どの段階の金額かを添えます。確認中の項目がある間は、現時点で確認できた小計と未確定項目を分けて示してください。
項目が見切れる場合は横にスクロールできます 費目ごとの根拠と変更を残す、予算管理の空欄票
| 確認すること | 記入欄 | 見直すときの問い |
|---|---|---|
| 費目・作業 | 費目番号:__/必要な作業:__ | 制作物と会場・運営のどれに計上するか |
| 金額の根拠 | 額:__/含む範囲:__/見積の版:__ | 数量や利用時間、税・手数料等の前提は同じか |
| 確定の段階 | 仮置き・見積受領・承認済・発注済・実績:__ | この金額を確定扱いできる根拠は何か |
| 追加・変更 | 理由:__/増減:__/判断者・日付:__ | 予備からの振替か、範囲変更か、増額相談か |
| 残額と未確定 | 予備残額:__/確認中の費用:__ | 残額だけで未確定費用を賄えると決めつけていないか |
| 終了後の確認 | 請求・実績額:__/差額理由:__ | 次回も必要な費用か、今回だけの条件か |
自社の会場や備品を利用できる場合も、利用の可否と担当者の作業を確かめます。購入費がなくても、配送や設置の支出が別に生じることがあります。反対に、制作の見積に含まれる印刷費を会場側の費用にも加えれば二重計上です。同じ作業を一つの費目番号で追えるようにしましょう。
企画終了後は、予算と実績の差だけで成功・失敗を判定せず、提供範囲や開催条件が変わった理由を確認します。未使用の予備枠を翌回も必ず削れる額と考えず、その回で想定していた不確実性を残します。次回の相談には、個人情報を含めず、費目と条件の記録を引き継げば十分です。
IMGAMEへは、総額と含めたい範囲を伝える
IMGAMEの公式会社情報は、体験型施設の企画・運営やコンテンツ開発、空間演出等の事業を紹介しています。今回の予算でどの作業を相談できるかは、個別の条件を伝えて確認します。公式お問い合わせの「プロジェクト相談」を使い、備考欄500文字以内へ希望をまとめてください。
以下は架空の相談例です。前の100万円の計算例を価格提示と受け取られないよう、実際の相談では自社の予算へ書き換えます。未確定の作業と、自社で用意するものを分けると、回答してほしい範囲が明確になります。
〇〇施設の企画担当です。〇月に〇〇を対象とする謎解き企画を検討しています。総予算の上限は〇円で、制作・会場・当日運営・予備枠を含める計画です。会場と受付スタッフは自社で手配する案です。問題と紙面、印刷物、説明資料の制作について対応可否を相談したいです。印刷数量と設置範囲は未確定です。予算内で検討するため、見積に含む作業、別費用となる項目、条件確定に必要な情報を教えてください。必要に応じて企画範囲を見直す予定です。
施工、スタッフ派遣、印刷等が全て含まれるとは確認していません。提供範囲と費用の回答を受けてから配分を更新し、社内の承認と発注を進めましょう。
謎解きの予算配分でよくある質問
記事の100万円は、謎解きイベントの相場ですか?
相場ではありません。計算を説明するための架空の総予算です。提供者の見積やIMGAMEの標準料金として使わず、実施条件に基づく回答を確認してください。
予備枠は必ず15万円、または15%必要ですか?
この例だけの仮定です。未確定の数量や作業、変更に伴う負担を整理し、社内で必要な保留額を決めます。費用が未確認の重要項目を予備枠へ隠さないようにします。
見積がまだ届いていない費用はゼロにしてよいですか?
未取得とゼロ円を分けて記録します。仮置きする場合は算定根拠と確認期限を添え、確定済みの小計と混同しないでください。未確定項目があることを意思決定者へ伝えます。
余った予備枠で演出を追加してよいですか?
残額だけで判断せず、追加内容、他工程への影響、今後の未確定費用を確認します。企画の目的に必要かを検討し、範囲と支出の承認を受けてから発注してください。
