ナラティブデザインとシナリオの違い
シナリオは、出来事や台詞、場面の流れを記すものとして使われます。ナラティブデザインでは、それらをプレイヤーがいつ、どの行動を通して受け取るかにも目を向けます。制作現場によって職務の範囲は異なり、二つを完全に分けられるとは限りません。
項目が見切れる場合は横にスクロールできます 同じ物語を、違う観点で考える
| 観点 | 考える問い | 設計する内容の例 |
|---|---|---|
| 出来事・台詞 | その人物は、なぜ姿を消したのか | 動機、会話、事件の経緯 |
| 行動・情報 | プレイヤーは、何を調べれば動機に気付くか | 手紙の配置、読む順番、得た情報を使う場面 |
| 理解の確認 | 情報を見落としても次に進めるか | 別の手掛かり、ヒント、共有する機会 |
文章を長くするだけでは、プレイヤーの行動は変わりません。「事情を理解したあと、何を試したくなるか」まで考えると、物語と遊び方がつながります。言葉自体の違いは、ストーリーとナラティブの違いでも整理しています。
架空の資料室で考える、行動と情報のつながり
ここからは説明用の架空例です。「昨夜、研究者が資料室を離れた」という出来事を、二つの方法で伝えるとします。実在する公演の場面や解法ではありません。
項目が見切れる場合は横にスクロールできます 同じ出来事を伝える二つの設計例
| 伝え方 | プレイヤーがすること | 理解までの流れ |
|---|---|---|
| 説明を読む | 研究者が出発した経緯の文章を読む | 書かれている事情を受け取る |
| 残された物を調べる | 机の乗車券と、途中で止まった実験記録を見比べる | 研究者が予定を変えた可能性を考え、次の手掛かりを探す |
後者でも、乗車券だけで出発理由が確定するわけではありません。見つけた事実と仮説を分け、別の情報で確かめる余地が生まれます。物を置く位置や、先に読める文章を変えると、プレイヤーが抱く疑問も変わります。
空間に残された痕跡から物語を伝える考え方は、GDCの環境によるストーリーテリングの講演概要でも扱われています。上の資料室は、その公演や講演の実例を再現したものではなく、当記事の説明用に作った例です。
分岐がなくても、物語に関われる
自分の選択で結末が変わる作品もあれば、結末へ至る過程で人物への理解が深まる作品もあります。一本道でも、先ほど見た手紙の意味が別の発見によって変わるなど、情報を自分で結び付ける楽しみは作れます。分岐数だけで関与の深さを比べることはできません。
遊ぶ作品を選ぶなら、「自由に結末を変えたい」「空間を探索したい」「人物と会話したい」のうち、何を期待しているかを分けてみてください。紹介文にない自由行動や筋書きの変更まで可能だと判断せず、参加者の役割を読みます。
物語を自分で探る体験を選ぶ
エドリンへの詩-忘れられた記憶は、記憶を失って部屋で目を覚まし、手紙や小物から過去をたどる設定の作品です。物語を読むことに加え、空間の中で手掛かりを探す体験に関心がある人は、公式紹介の参加方法を確認してみてください。本記事の資料室の例が、この作品に登場するという意味ではありません。
参加を決めた方はエドリンの開催店舗・条件と予約枠へ進めます。探索・会話・演技のどれを楽しみたいか迷う方には、イマーシブ謎解きの参加方法の比較が役立ちます。別の題材も探す場合は、IMGAMEの掲載作品を見ることができます。
ナラティブデザインについてよくある質問
ナラティブデザインは台詞を書く仕事ですか?
台詞が関わることもありますが、情報の配置や受け取る順番、プレイヤーの行動との関係も対象になります。職種としての担当範囲は制作体制によって異なります。
プレイヤーが自由に結末を変えられることですか?
それだけを意味しません。決まった結末へ進む作品でも、探索や発見を通じて物語を理解する設計があります。
脱出ゲームの知識がないと楽しめませんか?
必要な知識やヒントの仕組みは作品によります。参加前には、どのような探索や会話をするのかと、困ったときの案内を確認しましょう。
