文化祭の謎解きの作り方|3問の作例と運営台本

文化祭の謎解きの作り方|3問の作例と運営台本文化祭の謎解きの作り方|3問の作例と運営台本
最初に押さえたいポイント

文化祭の謎解きの作り方は、ゴールを決め、問題・ヒント・答えを一緒に作り、試遊で直す順に進めます。教室で初めて作るなら、紙の上で完結する3問から始めると、問題の修正と当日の復旧を確かめやすくなります。ここではオリジナルの作例3問、最後の合言葉、配布物、当番台本、試遊記録表まで紹介します。

表紙はAI生成イメージです。実在する学校・文化祭・参加者の写真ではなく、以下の作例の完成品を撮影したものでもありません。

最初は「3問を解いて合言葉を伝える」企画にする

今回の作例は、架空の「ひみつ展示室」を開く合言葉を復元する遊びです。文字を消す問題、位置から文字を拾う問題、条件に従って並べる問題を解き、最後に答えの一部を使います。部屋の施錠や装置の操作は行わず、受付へ合言葉を伝えたら達成とします。

実施前に、対象者、使える教室、入退場の方法、担当教員、当番の役割を決めてください。本稿の作例は実地の文化祭で試遊した実績ではありません。難易度、所要時間、同時参加人数は、自校の会場と対象者で試して決める必要があります。

  1. ゴールを「合言葉を受付へ伝える」と決める。
  2. 問題3枚と最終問題1枚、ヒント・解答表を作る。
  3. 作り手以外に解いてもらい、問題と運営手順を一緒に直す。

作例3問:問題文と段階ヒントをセットで作る

以下は制作担当者向けに答えまで掲載しています。参加者用の紙には「問題文」と必要な文字・表だけを載せ、ヒントと解説は当番が持つ別紙に分けます。既存の脱出ゲーム公演の問題や解答ではありません。

問題1:混ざった文字を取り除く

準備室から届いたメモには、いらない文字「ぶ」が混ざっています。「ぶ」をすべて取り除き、残った文字を左から右へ読んでください。

ひ・ぶ・な・ぶ・た

答えは、ひらがな3文字です。

  • ヒント1:「ぶ」がいくつあるか探しましょう。
  • ヒント2:2個の「ぶ」を消してから、残った文字だけを読みます。
  • 答え:ひなた。

「ひぶなぶた」から2個の「ぶ」を取り除くと、順番を変えずに「ひなた」が残ります。解説では正解だけを告げず、どの文字を消したかを指で示すと、解けなかった参加者も手順を追えます。

問題2:指定された位置から文字を拾う

下の表から、「左上」「真ん中」「右下」の順に1文字ずつ拾ってください。3文字をつなげた言葉が答えです。

項目が見切れる場合は横にスクロールできます 問題2の文字表

位置左中央右
上あひな
中こかし
下たおり
  • ヒント1:最初の「左上」は、上の段と左の列が交わる場所です。
  • ヒント2:「左上」は「あ」、「真ん中」は「か」です。最後に「右下」を見ます。
  • 答え:あかり。

上段左の「あ」、中段中央の「か」、下段右の「り」を順に読みます。配布用に表を組み直す際は、文字の並びだけでなく、「上・中・下」「左・中央・右」の表示も残してください。色で場所を指示していないので、白黒印刷でも同じ手順で解けます。

問題3:二つの条件から文字の並びを決める

「り」「し」「お」の3文字を、左から右へ一列に並べます。各文字は1回ずつ使い、次の二つの条件をどちらも満たしてください。

・「し」は「お」より左にある。
・「り」は「お」より右にある。

並べ終わった3文字を左から読んでください。

  • ヒント1:「お」の左と右には、それぞれ別の文字が必要です。
  • ヒント2:真ん中は「お」です。左と右に置く文字を条件から決めます。
  • 答え:しおり。

「し」が「お」の左、「り」が「お」の右なので、「お」を中央にした「し・お・り」だけが条件を満たします。紙に書いて並びを試せるため、切り離すカードや小物は必須ではありません。

最終問題:答えの1文字目・2文字目・3文字目をつなぐ

問題1の答えの1文字目、問題2の答えの2文字目、問題3の答えの3文字目を、この順につなげてください。できた合言葉を、ひらがな3文字で受付へ伝えましょう。

項目が見切れる場合は横にスクロールできます 最終問題の解答・解説表。当番用に保存し、参加者へは配布しません。

元の問題答え取り出す文字
問題1ひなた1文字目の「ひ」
問題2あかり2文字目の「か」
問題3しおり3文字目の「り」

最終回答は「ひかり」です。最終問題のヒント1は「各問題の答えを、ひらがなで並べて書こう」、ヒント2は「問題1からは『ひ』を取り出すよ」とします。受付は最終回答に加え、3問の答えを順に確認すれば、取り出す場所を勘違いした参加者にも説明できます。

自分たちの題材へ変えるときは、完成させたい合言葉から逆算しましょう。答えの文字数や取り出す位置を変えたら、問題・ヒント・解答表・最終問題を同じ版に更新します。問題だけ直して古いヒントを残すと、正しい考え方でも先へ進めなくなります。

参加者には4枚、当番には答えと進行手順を渡す

この作例では、参加者用は問題1〜3の各1枚と最終問題1枚、合計4枚に分けます。それぞれに回答欄を付け、鉛筆で書き込めるようにします。全記事をそのまま印刷すると答えも見えるため、参加者用と当番用の原稿を分けて印刷確認してください。

項目が見切れる場合は横にスクロールできます 教室で試作する配布物と、作る際の確認点

配布先用意するもの確認点
参加者問題1〜3、最終問題の計4枚/鉛筆答え・ヒントが印刷されていない。問題番号と回答欄がある
ヒント担当各問と最終問題の段階ヒント、答え・解説表参加者の紙と版が同じ。希望した段階だけ伝えられる
受付・進行担当説明台本、実施時間・受付終了の案内試遊後に決めた条件と、学校が認めた定員を記載
交代する当番復旧チェック表、担当教員への連絡方法次の組を呼ぶ前に、配布物と机の状態を確認

当番台本で、説明・ヒント・終了の言葉をそろえる

当番によって説明が変わると、問題の難易度まで変わります。次の例を読み合わせ、会場のルールに合わせて使う文を確定してください。休憩や体調の相談は謎の演出に混ぜず、担当者へ伝えられるようにします。

項目が見切れる場合は横にスクロールできます 進行台本の例。時刻・定員は自校の実施条件で決めます。

場面参加者へ伝える言葉当番の確認
開始前「3問を解き、最後の紙にある指示で合言葉を作ります。必要な情報は配った4枚の紙にあります。教室の備品を探す必要はありません」4枚の不足がないか確認し、会場で決めた終了時刻と退出方法を説明
行き詰まったとき「どの問題の、どこまで分かりましたか。ヒントを一つ聞いてみますか」答えを先に言わず、希望に応じてヒント1、次にヒント2を伝える
正解したとき「合言葉は『ひかり』で正解です。どの答えから文字を取り出したか、一緒に確かめましょう」次の参加者へ答えが聞こえない場所・声量で解説
終了時刻になったとき「ここで問題を解く時間は終了です。続いて答えと考え方を紹介します」未達成でも解説を行い、退室後に復旧。終了時刻の運用は事前説明とそろえる

試遊では時間・止まった箇所・使ったヒントを記録する

作り手は答えを知っているため、読みにくさや説明不足を見落としやすくなります。問題を知らない人に参加者用の紙だけで解いてもらい、開始から解答、解説から退室、復旧までを分けて記録します。「簡単だった」という感想だけでは、受付枠の長さを決められません。

項目が見切れる場合は横にスクロールできます 試遊記録の記入例。内容は架空で、実測の結果ではありません。

確認する項目記入例修正・再確認
問題と紙の版試作A版。参加者用4枚と当番用を照合変更後はすべてB版へ更新し、古い紙を除く
止まった箇所問題2で「真ん中」をどのマスか迷った中央の表示が欠けていないか確認し、別の人が読めるか試す
使ったヒント問題3でヒント1の後に自分で並べられたヒント1を残す。ヒント2を一緒に読まない当番手順にする
解答・解説・復旧の時間各工程の開始と終了を時計で記入する工程を合計し、入退場と次の組を迎える余裕を検討
配布ミスと答えの露出前の組が記入した紙が机に残った記入済みの紙を回収する欄を復旧表へ追加

想定する来場者に近い人でも試し、漢字の読み上げやヒントの出し方を調整します。人数や机の配置を変えた場合は、全員から問題が見えるか、入退場が重ならないかも再確認してください。試遊で得た時間を基に受付枠を作り、定員は学校の会場管理者と決めます。

次の組を呼ぶ前には、当番同士で以下を確認します。どれかが未完了なら、復旧してから案内します。

  • 記入済みの紙を回収し、参加者用4枚を新しい組の分にそろえた。
  • 机や掲示に答えが残っておらず、当番用の解答表が参加者から見えない。
  • 鉛筆などの用具がそろい、机・椅子・通路が学校に確認した配置に戻っている。
  • 受付、ヒント、復旧の担当と、相談先の教員を交代者へ引き継いだ。

会場の承認と素材の利用条件を、印刷前に確認する

文部科学省の学校安全案内は、学校安全計画や危機管理マニュアルの整備を示しています。本記事が個別の文化祭を許可するものではありません。会場図、入退場、待機場所、当番体制を担当教員へ示し、自校の規則に従って実施します。脱出という設定でも実際に出口を施錠したり、避難経路を小道具で塞いだりしないでください。

問題に写真、イラスト、音楽、既存キャラクターを追加する場合は、素材ごとの利用条件を確認します。文化庁の著作権案内でも、授業等での利用とSNSへの公開は区別されています。紙の配布、会場での展示、ウェブ公開を同じ扱いと考えず、利用方法を担当教員へ伝えて確認してください。学校名や生徒の写真を公開する場合も、校内の確認手順に従います。

文化祭の謎解き制作でよくある質問

3問あれば何分の企画になりますか?

問題数だけでは決まりません。読む速さ、相談、ヒント、説明、解説、入退場で時間が変わります。試遊で各工程を計り、復旧と次の組を迎える時間も含めて受付枠を決めてください。本稿の作例には実測の所要時間を設定していません。

簡単すぎるときは問題数を増やすべきですか?

先に、誰に楽しんでもらう企画かを確認しましょう。対象者が無理なく解けるなら、問題数を増やす必要はありません。変える場合は一つの問題から調整し、別の答えが成立しないか、最終問題につながるかを再度試します。説明を曖昧にして難しくする方法は避けてください。

有名キャラクターやネットの画像を使えますか?

学校行事であることだけで、すべての利用が自由になるとはいえません。素材の利用条件と、配布・展示・投稿それぞれの方法を確認します。判断に迷う素材は使う前に担当教員へ相談し、自分たちで作った文字や図だけで構成する案も比べてください。

当番が足りない場合も同じ人数を受け入れてよいですか?

受付、ヒント、退出の確認、復旧を誰が担うかを見直します。必要な役割を担当できないときは、受入人数や受付枠を減らす、受付を休止するなど、事前に教員と決めた方法に切り替えます。人員不足を参加者への説明省略で埋めないでください。

作例を完成させたら、運営と告知を整える

問題が解けることを確認したら、教室の謎解き運営で会場側の準備を整理できます。企画の目的を決め直したい場合は文化祭の謎解きの企画目的、案内を作る段階では文化祭の謎解きの校内広報へ進んでください。作り手ではなく来場者として回る予定なら、学園祭の謎解き参加計画で入構と受付の違いを確認できます。

解き手が発見を共有する様子やヒントの受け取り方を知りたいときは、謎解き初心者の観察・共有・ヒント活用も参考になります。参加する作品を探す場合は、IMGAMEに掲載されている謎解き・脱出ゲームから参加条件を確認してください。

文化祭へ持ち込む前に、参加者用4枚と当番用の紙を同じ版にそろえ、最終回答まで一度通して解きましょう。答えの確認だけでなく、説明、ヒント、解説、復旧まで試せば、当番が交代しても進められる企画に近づきます。